製本ビエンナーレ入賞の感激/川島久子

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手製本の世界と出会って15年、フランスの国際製本ビエンナーレ展に参加し、7冊目にして初めて入賞というご褒美をいただきました。
今回のテーマは世界的に有名なアルベール カミュの「異邦人」で、母の死後にもかかわらず遊び惚けて、最後には友人のために人を殺害するという残酷な内容で、不条理の認識を追求した作品でした。
師匠の中尾エイコ先生によると、私の作品(写真)は、2色の革の表紙の上に初めての試みであるグラスアートのリード線を使用したことで、インパクトのある装丁になったと言われました。
会場には、25カ国、250人の出品者全員の個性豊かな作品が並び、作品の展示だけでなく、前夜祭には簡単なパーティもありました。会期中(9月26日-28日)、展示スペースとは別に革屋さん、マーブルペーパーの作家さん達、活字屋さん、道具屋さん、古本屋さんなどのお店も参加していて、何時間滞在していても飽きることはありませんでした。その他にも紙漉き体験、こども対象のワークショップや、カミュ研究家の講演などもあり、参加者以外の人も楽しめる内容になっていました。これからも製本の世界が、華やかに広がっていけばいいなあと感じながら会場を後にしました。

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