『作家の犬』『作家の猫』
発行:(株)平凡社
ここで言う「作家」とは、詩や文章を書く人だけでなく美術、工芸などの芸術家も含まれます。その作家が飼っていた犬や猫とのくらしや家族を交えたエピソードなどが、豊富な写真と共に綴られています。
『犬』のトップバッターは志賀直哉。犬だけでなく動物全般お好きだったようです。菊池寛、川端康成、中野重治と文壇の重鎮が名を連ねます。犬種や犬の名前が述べられている場合もあり、作家の印象とマッチしていると思わず頷いてしまいます。
かわって『猫』のトップバッターは、やはりこの方。夏目漱石。掲載されている画家で挙げると熊谷守一、藤田嗣治が有名でしょうか。私は猫が好きなので、内田百閒が失踪した猫を探す話に心を痛め、火鉢で暖をとる室生犀星の猫のかわいさに悶絶しました。
作家が動物と接する姿は微笑ましく、本全体が動物に対する愛情に溢れています。一作家の内容は少なめで読みやすく、どの作家から読み進めても楽しめる構成となっています。私は持っていませんが、『作家の食卓』もあるようですよ。
(中野)
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