ブシコー派の画家の時禱書
編集・制作・発行:財団法人 古川会 古川美術館
先日、テレビで『ベリー侯のいとも豪華なる時祷書』が放送されました。時祷書とは、キリスト教徒が一日の定められた祈りの際、個人的に使用した祈祷書のことです。
今回ご紹介するものは、美術館の展覧会カタログです。「ブシコー」とは本の注文主であるフランスで活躍した軍人で、ブシコー元帥と呼ばれたジャン・ル・マングルⅡ世のこと。彼が注文して作らせた『ブシコー元帥の時禱書』と同一工房作と考えられているため、「ブシコー派」となっているようです。
私が観たのはずいぶん前ですが、とにかく絵が細かくて色鮮やかで感嘆したことを覚えています。細密画に加え、手書きとは思えない規則正しい文字、頭文字や蔦唐草模様など隅々まで施された華麗な装飾にも圧倒されます。カタログでは、中身の内容や『ブシコー元帥の時禱書』との比較も述べられており、豊富なカラー写真で分かりやすい作りになっています。ほどなく印刷が普及しますが、手書きの存在は大きいですね。
(中野)
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